Cisco IOS/IOS-XE の権限レベル

Cisco IOS または IOS-XE デバイスの認証スキャンでは、権限レベル 15 のユーザアカウントを指定する必要があります(推奨)。または、アカウントがこれらのデバイスのスキャンに必要なすべてのコマンドを実行できるように設定されている場合に限り、これより低いレベルのアカウントも指定できます。

重要 - 15 より低い権限レベルのユーザアカウントにコマンドへのアクセス権を付与する場合、機密情報の設定はリスクになる可能性があるので注意してください。業務のニーズと組織のセキュリティポリシーに応じて、適切な権限レベルを割り当ててください。

コンプライアンススキャンの場合 - スキャンを成功させるには、この高レベルの権限が必要です。

脆弱性スキャンの場合 - 設定ベースのチェックでのみこの高レベルの権限が必要です。Cisco IOS の設定 QID は、QID 45229「Cisco IOS Device Configurations Detected」です。

スキャンに必要なコマンド

Cisco IOS 15 / Cisco IOS-XE(すべてのバージョン):

show version
show running-config all
show logging | include Syslog | Trap | Console | Monitor | Buffer logging
show clock detail
show ip ssh
show ip interface
show snmp user
show snmp group
show crypto key mypubkey rsa
show running-config all | i ^interface|shutdown|ip redirects
show running-config all | i ^interface|shutdown|ip unreachables
show running-config all | i ^interface|shutdown|ip proxy-arp
show running-config all | i "^interface|vrf member|ip address"
show running-config all | i "^interface|ip vrf forwarding|ip address"
show snmp user
show snmp group
show snmp engineID
show vtp status
show interfaces status

Cisco IOS 12:

show version
show running-config
show logging | include Syslog | Trap | Console | Monitor | Buffer logging
show clock detail
show ip ssh
show ip interface
show snmp user
show snmp group
show crypto key mypubkey rsa
show running-config full | i ^interface|shutdown|ip redirects
show running-config full | i ^interface|shutdown|ip unreachables
show running-config full | i ^interface|shutdown|ip proxy-arp
show running-config full | i ^interface|vrf member|ip address
show running-config full | i ^interface|ip vrf forwarding|ip address
show snmp user
show snmp group
show snmp engineID
show vtp status
show interfaces status

Cisco IOS-XE only:

show snmp view

注記: 

上記のコマンドでは、必要な出力が表示されない場合があります。これは、カスタマ設定によります(“ show version ”および“ show running-configuration all ”コマンドを除く)。“ show running-config all ”および“ show version ”に出力がない場合、コンプライアンススキャンは失敗します。

権限レベル

デフォルトでは、ルータに次の 3 つの権限レベルがあります。

レベル 0 - 基本コマンド(無効化、有効化、終了、ヘルプ、ログアウト)のみ含まれます。

レベル 1 - User EXEC コマンドモードで使用できるすべてのコマンドが含まれます。

レベル 15 - Privileged EXEC コマンドモードで使用できるすべてのコマンドが含まれます。

最低から最高までのこれらのレベルは、管理者がコマンド/ユーザを割り当てるまでは未定義となります。したがって、管理者は、これらの最低から最高までの異なる権限レベルをユーザに割り当てることで、ユーザが所有するアクセス権を区分できます。

権限レベルにコマンドを割り当てる方法

管理者は、個々のコマンド(およびさまざまな他のオプション)を個々の権限レベルに割り当てることで、このレベルのあらゆるユーザがコマンドを使用できるようになります。

例えば、権限レベル 2 を持つユーザ「priv2」と権限レベル 15 を持つユーザ「root」がいるとします。

Show version コマンド

権限レベル 2 のアカウントで対象のバージョンを確認してみましょう。出力から、このユーザには“ show ”コマンドを実行する権限がないことがわかります。

 

こちらに示すように、権限レベル 15 を持つユーザのみが“ show ”を実行できます。  

 

ここで、権限レベル 2 を持つユーザに“ show version ”を実行するためのアクセス権を付与します。

 

もう一度、権限レベル 2 を持つユーザで“ show version ”コマンドを実行します。今回は、コマンドの実行が成功しました。

 

Show running-config コマンド

権限レベル 15 を持つユーザと権限レベル 2 を持つユーザの“ show running-config all ”コマンドの出力を比較してみましょう。

 

権限レベル 2 を持つユーザに“ show running-config all ”を実行するためのアクセス権を付与します。

 

もう一度、priv2 ユーザで“ show running-config all ”コマンドを実行します。

 

出力には設定内容が表示されていないため、ユーザがルータの設定に関する情報を収集するには不便です。

priv2 ユーザに“ aaa new-model ”への権限を付与します。

 

もう一度、priv2 ユーザで“ show running-config all ”コマンドを実行します。

 

“ show running-config ”コマンドにより、ユーザが自分の現在の権限レベルで変更できるコマンドのみが表示されます。これは、ユーザが自分の現在の権限レベルを超えている設定コマンドにアクセスするのを防ぐためのセキュリティ設定として設計されています。コンプライアンススキャンが成功するかどうかは、さまざまな設定/コマンドに対するユーザ権限によって異なります。

コンプライアンススキャンを実行するには、“ show running-config all ”コマンド以外の他のコマンドの権限も必要です。「スキャンに必要なコマンド」を参照してください。